Story
「起きてないことはすべて、起こり得るってことだから。気づいてないだけで」
東京、現在。
NASAが太陽系内に生命体が存在する可能性のある新惑星・エマノンを発見したと発表。
衝撃的なニュースは世界中を駆け巡り、新惑星ブームが到来する。しかし人々の盛り上がりと裏腹に、異常気象が頻発するようになる。
旅行代理店でアルバイトをしながら、大学で理論物理学を専攻している大学院生・ミカ(稲村梓)は、5年前に失踪してしまった恋人・テル(高橋卓郎)のことが忘れられない。彼女は一見普通の大学院生だが、出会い系アプリで男を漁り孤独を埋めつつ、妄想でテルと会話している。そんなミカの様子を、親友のゲイ・シゲ(芳野正朝)や、研究室の先輩・高山(佐藤睦)は心配している。
ある日、ミカは発作的に既視感を覚えるようになり、もう一人の自分と出会ってしまう。互いに驚く二人のミカだが、どうすればいいかわからない。テルの親友・バード(今村怜央)に相談しに行くと、さらにもう一人のミカが現れ、それぞれが本来は違う世界線に存在するミカだということがわかる。パラレルワールドが交錯してしまっているのは、エマノンの影響かもしれない、とバードは語る。
テルが失踪した世界のミカ、テルと出会い恋が始まる世界のミカ、そしてテルが既に死んでいる世界のミカ。三人はそれぞれの人生を変える選択を迫られる…。